SSブログ

真田丸

三谷幸喜作品の魅力3 天正壬午の乱を3話かけて描く視点の妙


歴史劇を描く時、たいていは史実をなぞりますから、俳優も、あらかじめ、勝者は勝者の顔をし、敗者は敗者のような顔をして演技をしてしまいがちです。実際のところは、一寸先は闇で、先のことはわかりません。三谷幸喜さんは、そのわからない“闇”を見つめる作家です。例えば、織田信長が本能寺の変で死んだ後、「天正壬午の乱」という戦いが起ります。でもそれは敗戦処理みたいなもので、たいていの映画やドラマでは1話もかけずに済まされてしまう。でも、三谷さんはそこに3話もかけているんですよ。その戦いが実に面白くて、僕ら俳優も、歴史をわかったふりをせず、その瞬間、瞬間、何が起るかわからないように生き生きと演じていきたいと思わされました。

三谷幸喜作品の魅力4 集団がつくり出すうねり


僕が参加している三谷さんの作品は、舞台「恐れを知らぬ川上音二郎一座」、大河ドラマ「新選組!」とグループ名がタイトルになっています。今回の「真田丸」は一艘の船に見立てた砦の名前ではありますが、突き詰めると、そこに集う家族や仲間の話ですから、グループ名と言っても過言ではありません。こういったタイトルに象徴されるように、三谷さんの作品は、誰かひとりの人物を描くよりも、ひとりひとりが集まった時に物事が思いもよらない方向に動くところをじつに面白く描く。今回も、集団による大きなうねりが描かれるのではないでしょうか。

三谷幸喜作品の魅力5 敗者を描く


大河ドラマ「新選組!」も敗者を描いたドラマでしたし、映画「清須会議」も織田の時代の終わりを描いた映画です。信繁も敗者です。と言って、敗者の美学を描くというのともちょっと違うような気がしていて。うまく言えませんが、敗者がどう戦い、どう生きたか、徹底的に丁寧に描かれるのではないかという気がしています。まだ台本がすべて完成しているわけではないので、三谷さんが1年をかけて、どういうふうに「真田丸」を描ききるのか、僕自身、楽しみにしています。
Screenshot_2015-07-17-05-57-24.png
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

松岡<a href="http://loop.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。